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古武術随筆録 「柔心左右衛門の独言」
その一 本心を練る
武道をやるということで大事なことは、
今、自分の状況、状態で何ができ、
そして、その状況を打破できるかだと考えています。
その為に先人が残してくれた「型」を通して、
体の使い方を学び、体を練っていくことをしています。
そこには剣の世界ですから、
斬られたら、というか、自分より上のレベルの人を想定して、
斬られる可能性のある動きをとことこん排除していくという作業をしていっています。
そして、無駄な動きをなくし、
気配を消して、相手の「間」を取り、中心を押さえていくという意識を持っていきます。
そういった動き、意識を持って、「型」で攻防するのです。
斬られる可能性のある動きとは、
相手に何かしようとする時におきやすいものです。
「相手を打ちたい」 「負けたくない」 「投げたい 崩したい」 「うまくやりたい」
などの意識が体に出て、
そこが余計な「間」になるのです。
日常の動きと同様な動きをするべきなのに、
自らが変えることによって生じる隙間。
非日常である稽古に惑わされているのでしょう。
経験不足、センスがないので、技が出来ない言い訳をするのではなく、
その自分の範囲内でやるべきことをやればいいはずです。
出来なくしているのは自分自身なのです。
型稽古では こうした自分と向き合うことになり、
また、対人の稽古の場合、
相手、さらには周囲、環境に向き合わなくてはならなくなります。
ですから、日常の問題が、型稽古においてもあらわれ、
それを受け止め、修正することで日常に返していくことが可能性があると思っています。
体を練ることで、心を練ることに。
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