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柔心左右衛門の独言

 古武術随筆録 「柔心左右衛門の独言」


その三 共同作業と感謝


「型稽古」は、単に手順を追っていくのでもなく、
乱捕り、スパーリングでもないので、
勝者、強い者を決めるのでもなく、
打太刀と仕(受)太刀の共同作業になるのです。
経験豊富で、体の使い方の技術が上の人が、
出来ない人に対して圧倒するのは当たり前です。
そこには、ただ、出来る、出来ないを表しているだけになります。
出来る人が、自分の作業にだけ没頭しても
型稽古は成り立たないと考えています。

共同作業は、「合わせ」であり、
上のレベルの者が、相手のいい動きを増幅させ、
悪い動きを目立たなくさせ、
下のレベルの者は、やるべきことを最大限にやるだけです。
こうなると、上位者には余裕などなく、
お互いにぎりぎりの状態で同じ立場で時を共有できます。
相手に関わっているもの全てに感謝すら覚えます。

そして、場にたいして得難い「縁」を感じ、
その時終えものだとやっています。
もっとも なかなか うまくいきませんが。
ついつい、相手に自分が上であることを示したいとか、
自分の動きしか考えてなかったりになってしまいますね。
それでもうまくいったときは、感謝、感謝。



  



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