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柔心左右衛門の独言

 古武術随筆録 「柔心左右衛門の独言」


その八 ジャズ    平成17年2月25日


先日家で 妻がビデオを見ていた。
そのビデオは「ジャズの歴史」という題名。
何となく一緒に見ていて、ジャズは調和であるということが分かった。
そういえば、ジャズのボーカリスト(?)でもある妻はまだ駆け出しで、
経験も技術も不足している。
そんな妻に一生懸命合わせようとしてくれたピアノの女性がいたそうだ。
彼女が何とか合わせてあげなければ、そして、
妻が足をひっぱらないようしなくてはとすればするほど、
ぎくしゃくとしたものになったそうだ。

我々の古武道の稽古でも この光景はよく見る。
中級者が、新しい人に対して
教えてあげなくては、見てあげなくてはという思いで
自分の知っていることを必死に伝えようする。
そして、新しい人は、
迷惑をかけて悪いな、相手の稽古にならないなと気にしながら稽古をする。

こういう状態では、互いに意味がなくなる。
中級者は自分の稽古が出来ないと嘆き、
新しい人は、迷惑ばかり掛けているだけだと嘆く。

中級者は、得られた相手の情報をどう生かすか。
これが稽古になる。
知っていることを全部伝えることでも、手取り足取り世話することでもない。
新しい人は、ヒントになる自分なりのイメージをつかむことが稽古になる。
言われること全てに依存するわけではない。

一方的に相手に合わせようとすることは当然調和は生まれない。
お互いがやるべきこと、やらなくてはいけないことを、
相手を尊重し信頼して、どこまでできるか。
この結果として、場に調和が、
そして、お互いが学びを得ることが出来る場に。

どれだけ、相手への信頼があるかどうか。
どれだけ、相手への愛があるかどうか。




  



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